子どもが巣立った後まで考えた子ども部屋づくりについて解説
これから生まれる子どもや、成長していく子どものために注文住宅を購入する人は多いでしょう。そのため、子ども部屋の間取りや気を付けるべきことを把握するのは大切です。本記事では、子ども部屋に焦点を当てて解説をします。子どもが巣立った後に活用できるような設計のコツや活用法もあわせて紹介するので、参考にしてください。
子ども部屋の必要性と部屋割り
子ども部屋の必要性について考える際には、将来的な子どもの成長や家族構成、住居のスペースなど様々な要素が絡んできます。
ここでは、子ども部屋が必要な理由と、効果的な部屋割りについて紹介します。
子ども部屋が必要な理由
まず第一に、子どもが成長していくなかで個別の空間を持つと、思春期などの自己探求や自立心の育成に役立つことが挙げられます。
思春期には親から距離を置きたいという心理が働く時期があり、個室があると自己を見つめ直す時間や自己実現の場を提供できます。また、自分の部屋で自由に学習や趣味に打ち込めれば、自立心や創造性も育まれやすくなります。次に、子ども部屋は将来の学習や趣味に必要な書籍や道具を収納するスペースとしても機能します。
子どもが成長するにつれて必要なものが増えていくため、スペースは必要不可欠です。とくに、学業や興味の対象が拡大するなかで、多様な書籍や道具を保管できるスペースは重要です。したがって、子ども部屋には本棚や収納スペースを確保するのが大切といえます。
子ども部屋の部屋割り
子どもが複数いる場合の部屋割りについても検討する必要があります。
一般的には最初は共用部屋として活用し、後に必要に応じて個別の部屋に分ける方法が一般的です。その際には、部屋の間仕切りが容易に変更できる「スケルトン&インフィル」という手法を用いるのが有効です。この方法を取れば、子どもたちの成長に合わせて部屋の配置を変更でき、柔軟な対応が可能です。
一方で、共用部屋にカーテンやパーテーションを用いて区切る方法もあります。この方法では、子ども同士のコミュニケーションを促進する一方で、壁で仕切られていないために音が気になるというデメリットもあります。
しかし、子どもたちのコミュニケーションを重視する家庭にとっては、カーテンやパーテーションを用いて区切る方法も一考の余地があります。
子ども部屋にまつわる注意点
子ども部屋をつくるうえでの注意点は、子どもの発達段階やプライバシーの権利、家族のコミュニケーションを促進する環境を考慮するのがおすすめです。
プライバシーに気を配る
まず、子どもにもプライバシーの権利があります。
子どもが成長するにつれて羞恥心を感じるようになり、自分の空間や時間を大切にするようになります。したがって、子ども部屋を設ける際には、子どもが安心してプライベートな時間を過ごせる環境を整えるのがおすすめです。
リビングと子ども部屋を玄関の間に配置する
また、家族のコミュニケーションを促進するためには、リビングを子ども部屋と玄関の間に配置するのが有効です。
スマートフォンの普及により、家族間での会話や交流が減少している現状があります。しかし、リビングを挟むと、家族が日常的に顔を合わせる機会が増え、会話や挨拶の場が生まれます。これは家族の絆を深めるだけでなく、子どもの成長や家族の絆を支える重要な要素となります。
子どもが時折帰りたくなるような環境を整える
さらに、子どもは将来的には家を出ていく可能性があります。
しかし、自分が育った家や部屋を懐かしむときもあるでしょう。したがって、子ども部屋をつくる際には、子どもが心地よく過ごせる空間を提供するだけでなく、将来的にも懐かしんで戻ってきたくなるような環境を整えるのもおすすめです。
子どもの巣立ち後まで考慮した部屋づくりとは
子ども部屋を将来まで考えた家づくりの一環として、子どもが独立して巣立った後の部屋の使い道を考えることが大切です。
子どもが成長して家を離れると、子ども部屋が空き部屋となりますが、後の使い道を考えておくと、家族全員がより快適に暮らせる環境を整えられきます。以下に、活用の例を紹介します。
夫婦共用のスペースにする
まず、子ども部屋を将来的に夫婦共用のスペースとして活用するケースが考えられます。
夫婦がそれぞれの趣味や活動を楽しむための部屋として利用すると、新しい生活のスタイルを築けます。たとえば、書斎や趣味の部屋として利用したり、手芸やホビーに打ち込むためのスペースとして活用したりできます。
シアタールームなどにリフォーム
また、子ども部屋をシアタールームやエンターテイメントスペースとしてリフォームする可能性も考えられます。
映画鑑賞や音楽鑑賞を楽しむ場として利用すると、リラックスした時間を過ごせます。このような共用のスペースを持つと、夫婦間のコミュニケーションや絆を深められます。
来客用の部屋にする
さらに、子ども部屋を来客用の部屋として利用するためにリフォームするのも考えられます。
子どもが結婚して家族が増えた際には、帰省した際や家族や友人が訪れた際に利用できる部屋として活用できます。快適な環境を提供すると、家族や友人との交流を深められます。
まとめ
子ども部屋の計画は、将来の変化や成長に備えた賢い家づくりの一環です。子どもの個別の空間は自己探求や成長に欠かせず、学びや趣味の発展にも重要です。部屋割りは柔軟性を持たせ、子どもたちのニーズに合わせて調整できるように工夫しましょう。プライバシーの尊重や家族のコミュニケーションを促進する環境づくりも欠かせません。そして、子どもが巣立った後も活用できるよう、夫婦共用のスペースや来客用の部屋への転用を考えることが賢明です。将来を見据えた家づくりは、家族全員の快適な生活を支える重要な要素です。