40坪の土地に家を建てる際のポイントは?間取りの例などを紹介
家を建てる際には、土地の広さが間取りや暮らしやすさに大きく影響します。その中でも「40坪」の土地は、郊外の住宅地において一般的な広さであり、2階建てや平屋など、幅広い選択肢から検討することができます。そこで今回は、40坪の土地で家を建てる際に知っておきたいポイントや現実的な間取りの事例などを紹介していきます。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。
40坪ってどれくらいの広さ?
40坪の土地と聞いても、どのくらいの広さか検討がつかないという方も多いのではないでしょうか。不動産業界では、土地や建物の面積を表すときには「坪」のほかに「平米(m2)」もよく使われています。
坪から平米に換算すると、40坪は約132平米となります。また「畳」に変換すると、約80畳となります。
2020年に行われたフラット35利用者調査によると、土地付き注文住宅の敷地面積の全国平均は約59坪とされています。エリアごとに見ると、首都圏は約41坪、近畿圏は約45坪、東海圏は約61坪と開きがあります。
つまり、40坪の土地は、首都圏の平均的な広さであるといえます。建ぺい率を加味すると、土地いっぱいに家を建てることはできませんが、家族4人が快適に過ごせる家は十分実現可能です。
家づくりに影響する法規制
40坪の土地には何坪ほどの家を建てられるのでしょうか?家づくりに影響する法規制について紹介します。
建ぺい率
建ぺい率とは、その土地の敷地面積に対して、家を建ててよいとされる建築面積の割合のことです。自治体やその土地に設定されている用途地域によって割合は異なりますが、基本的には30~80%の間で設定されています。
建ぺい率は建築面積÷敷地面積×100という計算式で求められます。たとえば、40坪の土地で建ぺい率が50%と定められているとすると、20坪の広さで建物を建てることができます。
容積率
容積率とは、その土地に建築できる建物の延べ床面積の割合のことを指します。建ぺい率は敷地面積を真上から見たときの建物の広さであるのに対し、容積率は2階建てであれば1階と2階の床面積の合計を表します。
容積率は延べ床面積÷敷地面積×100の計算式で求めることができます。エリアによって異なりますが、50~500%の間で設定されています。
40坪の土地での間取りの事例
40坪の土地に家を建てる際の間取りの事例を紹介します。今回は、建ぺい率60%・容積率200%と仮定します。
延べ床面積48坪の2階建て(5LDK+α)
延べ床面積が48坪とすると、家族5人ほどであればゆとりをもった間取りをかなえられます。ひとり一部屋を確保した5LDKもしくは、居室をコンパクトに抑えることで6LDKも十分実現可能です。
単世帯であれば、プラスアルファでゲストルームやホームシアターを配置することができます。そのほかに、吹き抜けやウォークインクローゼット、パントリーといった収納も確保できます。
延べ床面積72坪の3階建て(6LDK~)
延床面積が72坪の3階建てであれば、6人以上の世帯でも快適な居住空間を手に入れることができます。二世帯住宅を建てる場合にも、それぞれのプライバシーを尊重した暮らしを実現できます。
また、開放感のある吹き抜けや中庭などを取り入れることもできます。ただし、2階建てでも十分広さがあるため、わざわざ3階建てを選ぶ方はそれほど多くありません。
近年、土地価格や建築価格が上昇傾向にあることから、72坪の住宅は豪邸といえるでしょう。
40坪の土地に家を建てるときのポイント
40坪の土地に家を建てる際には、生活利便性を意識した設計が大切です。家づくりで欠かせないポイントを5つ紹介します。
生活・家事動線を意識した間取り
快適な暮らしを実現するためには生活・家事動線を意識した間取りが重要です。無駄な移動が多い間取りだと、家事効率が低下する恐れがあります。
まずは、部屋全体を掃除する様子をイメージしてみましょう。LDKや洗面所、脱衣場などの配置を紙に書き出してみると、イメージしやすくなります。実際に掃除や洗濯するとなると、効率のよい動き方が想像できます。
また、水まわりの設備に関しては、家族の生活リズムを考慮して配置を決定しましょう。たとえば、大人数が暮らしている家庭の場合、脱衣所と洗面所を近くに配置すると、朝などの忙しい時間に混み合う可能性があります。
家族の生活リズムを考慮した間取りによって、過ごしやすい住環境を実現することができます。
計画的に収納スペースを確保
家づくりで意外と見落としがちなのが、収納スペースです。一緒に暮らす家族の人数が多くなるほど、荷物も増えます。今は夫婦二人暮らしという方でも、将来的に子どもが生まれると収納スペースが足りなくなることもあります。
そこで、玄関にシューズクロークを取り入れた間取りや階段下のデッドスペースを活かして収納スペースを作るなど、計画的に収納スペースを確保することが大切です。
開放感を意識したデザイン
いくら広い土地に家を建てたとしても、開放感がないと窮屈な生活を強いられます。リラックスして落ち着ける空間を作るためには、開放感を意識したデザインが欠かせません。
たとえば、リビングをコの字に配置することで、広々とした空間を演出できます。大きな窓をいくつか配置すると、さまざまな場所から外の景観を楽しめます。
また、開放感のある空間を作るためには、勾配天井を設けるというのもひとつの手です。天井を傾斜させると視線が縦に抜けるため、開放感を感じられます。
そのほかにも、リビング・ダイニング・キッチンのそれぞれに高さの異なる天井デザインを施すことで、メリハリのある空間を演出できます。
外構デザインを工夫
家づくりにおいては、外構デザインが大切です。長い時間を過ごすことになる室内のことばかり考えてしまいがちですが、外構は家全体の印象を左右する部分なので、こだわりをもって工夫することをおすすめします。
たとえば、縦のラインを強調したデザインを取り入れることで、洗練された雰囲気を演出できます。外壁の素材やカラーを統一させると、よりすっきりとした印象を感じられます。
また、隣地との距離や景観にも配慮して、調和のとれた外観を意識することも重要です。40坪の土地であれば、外構にこだわって、バランスのよい住宅を実現することができます。
なお、外構を設計する際には、通りから敷地内への視線を遮りつつも、開放感を損なわないデザインがおすすめです。塀や植栽を配置することで、防犯意識が高まります。
駐車スペースを確保
車移動が多いのであれば、駐車スペースを確保することを忘れないようにしましょう。40坪の土地であれば、車2台分の駐車スペースを確保できます。
車2台を停めるためには、約10坪ほどの広さが必要です。土地が40坪だとすると、家を建てられる広さは15坪ほどなので、十分な広さの駐車スペースを確保できることでしょう。
また、敷地内に駐車スペースを確保することで、防犯面でも役立ちます。ただし、駐車スペースの配置や車の大きさによっては、生活動線や隣地との距離に影響をおよぼす可能性もあります。
近隣住民とのトラブルを避けるためにも、設計段階で駐車場について検討することをおすすめします。
まとめ
40坪の土地は、都市部・郊外のいずれにおいても一般的な広さです。家族4人で暮らすのであれば、十分快適に過ごせる広さであるといえるでしょう。ただし、敷地の形状や法規制を考慮すると、設計に工夫が必要となります。今回紹介したような間取りの事例や家づくりのポイントを踏まえて、自分たちにとって無理のない住まいづくりを検討しましょう。間取りや建物の構造などで気になることがあれば、信頼できるハウスメーカーや工務店に相談することをおすすめします。