断熱性能が高い家は健康に過ごせるようになる?断熱性の驚きの効果とは
健康と断熱性に深い関係があることは、ご存じでしょうか。厚生労働省によると温かい家と寒い家に住む人とでは、明らかに健康状況に差がでると報告されています。本記事では、断熱性が健康にもたらす影響やどうすれば温かい家を建てられるかについて、紹介します。家づくりやリフォームを検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
温度がもたらす人体への影響
人は、温度によって血圧や免疫力が変わり健康状況に影響を及ぼします。温度差によって生じるヒートショックがわかりやすい例です。以下では、温度がもたらす健康への影響について、代表的なものを紹介します。
血圧への影響
暖かいところから寒いところへ移動すると血圧が急上昇します。とくに足元が寒いと血圧が上昇しやすく、血圧の上昇によりヒートショックや高血圧症になるリスクがあります。
コレステロール値
朝の室温が18℃を下回る家に住む方の総コレステロール値が、上がりやすい傾向にあると報告されています。コレステロール値が高いと「動脈硬化」「脳梗塞」「脂質代謝異常」「心筋梗塞」にかかるリスクが上昇します。
病気への罹患リスク
足元が寒い家では病気への罹患リスクが上昇します。寒い家は温かい家と比べ、高血圧・難聴・糖尿病・骨折・脂質異常症への罹患率が1.5倍ほど上がるというデータがあります。
どうすれば温かい家を建てられる?
寒い家は健康被害につながることを紹介しましたが、どうすれば温かい家を建てられるためしょうか。エアコンなどの暖房設備で家を温めることもできますが、建物の性能をよくして家を暖かくすることをおすすめします。具体的には、「断熱性」という家の性能を向上させていくです。
以下では、断熱性について、その特徴と断熱性をよくする方法について紹介します。
断熱性とは?
断熱性とは「熱を断つ性能」を指します。まず、断熱性がよい家は、寒さや暑さなど外気温に左右されることなく、室温をコントロールできるため、1年を通して快適な生活を送れます。さらに、断熱性を上げることは、光熱費節約にもつながります。
断熱性がよい家は、夏は太陽による熱が室温に伝わりにくいため、効率よく室内を冷やせます。逆に、室内で冷やした空気は外に逃げていかないため、家全体が涼しくなりやすいです。このように、断熱性がよい家は効率よく冷暖房を効かせられるため、光熱費節約にもつながります。
窓の性能をよくする
冬に暖房機器で温めた空気のおよそ50%は窓から逃げます。窓は、家の中で最も熱を入れやすく、逃しやすいところです。言い換えると窓の性能をよくすることが、断熱性の向上につながります。窓を検討する際は、サッシ・ガラス・空気層を比較するようにしましょう。
サッシとは窓枠のことで、窓枠が樹脂であると断熱性を期待できます。樹脂はアルミと比べ1,000倍熱を通しにくい素材なので、窓の断熱性を格段によくできます。つぎに、ガラスは枚数が増えると断熱性が上がります。ガラス1枚でではほとんど断熱効果はありませんが、ガラス3枚だとかなり熱を通しづらくなります。そして、空気層には断熱ガスを入れるようにしましょう。空気層とガラスとの空間に断熱ガスを入れることで大きな断熱効果を期待できます。
断熱材の性能を向上させる
断熱材とは、壁や床下などに施工される断熱効果がある素材のことです。壁紙が貼られるとみえなくなる素材ですが、断熱性を上げるためにかなり重要な要素といえます。断熱材には、ウレタンフォームなどのプラスチック系断熱材とグラスウールなどの繊維系断熱材があります。断熱材の種類によって、期待できる断熱効果は異なり、断熱材を壁内に何センチ入れられるかによっても断熱性は変わります。断熱材を選ぶ際は、素材だけでなく厚みも合わせて検討するようにしましょう。
高品質な家を建てる会社を選ぼう
温かい家を建てるために、断熱性を上げていくと紹介しましたが、断熱性は施工者の技術力によっても左右されます。たとえば、どんなに性能がよい窓を採用しても、施工が雑で部材間に隙間ができてしまうと隙間風が入ってしまいます。これでは、性能がよい窓も意味がありません。
このように、断熱性がよい家を建てるためには、部材の品質だけでなく施工者側の品質も問われます。高断熱な家を建てたいなら、高品質な家を建てる会社を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、温度がもたらす健康への影響と人体によい温かい家の建て方について解説しました。温度変化は人体にさまざまな影響を与えます。とくに足元が寒いとヒートショックをはじめ、血圧やコレステロール値上昇、動脈硬化など病気への罹患リスクが上昇します。健康に生活を送るためにも、断熱性に優れた温かい家に住むようにしましょう。断熱性を上げるためには、窓や断熱材など、断熱効果のある建材を用いて、家を建てることが重要です。しかしその一方で、いくら高性能な建材を使用したとしても施工ミスがあると台無しです。確かな腕がある施工業者に依頼し、高品質な家を建てる会社を選ぶようにしましょう。